好奇心のこと

 ひとつのことを調べる。するとそれ自体についてはある程度の理解に至る。ところが、そのことを説明している内容に、新たに不明のことが紛れ込んでくる。もちろん、それらをも調べ始める。すると、ねずみ算的に不明のことが膨れ上がっていくことになる。知ることは、じぶんがいかに何も知らないでいるかを知ることでもあることに気づく。好奇心という名の自己析出作業と言い換えてもいい。そして「未知」をひとつ一つ「既知」にしていく作業の楽しさを知ったのはごく最近のことである。まさに「知ることの〈楽しさ〉と〈驚き〉」にほかならない。

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