映画「賊にはあらず」

 連休の一日、白石城周辺を散策してきた。こじんまりとしていたが正真正銘復元された城で、当時の面影を今に伝える貴重な建造物である。さすがに片倉小十郎の土地らしくそちこちに「小十郎」と染め抜かれた幟が風になびいているのが目につく。そして近くには堰があり、清らかな水の流れのなかで金魚草が気持ちよさそうに揺れているのが見えた。また、その傍には、片倉家中の武家屋敷も一軒残っていて(これも後に復元したものという)、ロケージョンもふくめて静かでいい場所だった。

 考えてみると白石城は戦国武将ファンのメッカのひとつであるが、私は、幕末戊辰戦争時「奥羽越列藩同盟」の広議府が置かれていたという視点で白石城を訪れてみた。ミュージアムの事務所につめておられた主幹の方に話を伺ってみると、「戊辰戦争関連の資(史)料は、そのほとんどが仙台市博物館の方に収蔵されている」ということであった。ただ、「歴史探訪ミュージアム」3階に映画館があり、そこで「賊にはあらず」という戊辰戦争を描いた3Dの映像を流していた。初めてみる3D映像にびっくり! オープニングシーンが観客に向かって槍を突き刺してくるシーンなのだ。ナレーションは西郷輝彦。なぜかとおもいきや、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」のなかで「片倉小十郎」を演じて以来の、白石との縁なのだそうだ。上映時間30分ほどで、内容はシンプルなものだったが、かつては声高に言えなかったであろう「官軍」批判の製作意図で貫かれ、その映像を市の施設で上映しているわけだから、時の移ろいをしみじみと実感させられた次第。
 ひきつづき、奥羽諸藩を傲慢なやりかたで恭順させようと威丈高に振る舞い、結局は仙台藩士によって暗殺された奥羽鎮撫総督府下参謀「世良修蔵」の墓地に立ち寄ってみたが、その手入れの行き届いていない墓の様子から、いまだに当地ではあまり好かれていない人物であることをなんとなく感じ取れた。

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 実に天気のいい一日を、目一杯、行き当たりばったり、幕末気分で楽しむことが出来た。お天道様、ありがとうございました。

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