永山一郎の油彩画作品

友人大原螢が私費を投じて開設した「アトリエ・山形現代美術館」(新庄市)に、特筆すべき作品が展示されている。先日の山形新聞「文化欄」で、山形美術館学芸員の岡部信幸も書いていたが、そこには堀正明、故蔦谷一行、遠藤正俊、中原淳、須藤時象等といった一般的にはあまり馴染みのない作家たちの野心的な作品が並び、美術館としても独自のコンセプトを顕示しているように感じられた。

ATORIE

そのなかに1960年代、気鋭の新進作家として、奥野健男、桶谷秀昭、野間宏らに高く評価され、将来を期待されていた故永山一郎(金山町出身)の、詩や小説といった表現(文学作品)ではなく、未発表の油彩画が展示されているのだ。これまでクロッキーやドローイング、水彩画、シュールなペン画などはいろいろ見てきたのだが、油彩画を描いていたことはまったく知らなかった。まさしく驚きである。

永山一郎油彩画−小

それにしても「アトリエ・山形現代美術館」のこれからの展開がほんとうに楽しみである。環境のなかにしっとりと馴染み、受け入れられ、かつダイナミックに現代表現を志向するクリエーターたちに支持され、深化して行くことを切に願うものである。場所は新庄市民文化会館のちょうど向かいで、分かりやすい。美術愛好者は是非一度訪ねてみてほしいものである。ただし当面は、開館が金曜日〜日曜日(午前10時から午後4時)に限定されているので、要注意。 【問い合わせ  ☎  0233(22)5154】

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