2020年、厳かに始動。

今年も上山城での上山三曲練習会メンバーによる「新春・邦楽の調べ」を堪能してのスタートとなった。この催しも早いもので第10回を数える。デパートやショッピングセンターのスピーカーから流れてくる邦楽の調べも確かに季節によっては耳にするが、ここ上山城では毎年元旦、滅多に聴けない邦楽の、しかも生の音を楽しめるのである。楽器から奏でられる生の音は、輪郭がはっきりしていてそれ自体エネルギッシュで瑞々しい。初めて聴いた4曲目の「風の色」のアンサンブルが特に印象的だった。トンチンカンな感想かも知れないが、二人の箏奏者による音の構成が、あたかもピアノの連弾のような味わいを醸し出していて心地よかった。そればかりではなく、箏・三味線・尺八の楽器の歴史やそれにまつわるエピソードなどを交えた解説などもあり、邦楽の勉強にもなる貴重なイベント企画となっている。さすが郷土資料館上山城の面目躍如である。

個人的にも、参加理由として、一年の計を考えるための厳かなプレイベントにしたいという、身勝手な意味合いも兼ねている。

 

さて、今年の抱負。言うまでも無いことだが、まず第一にこれまで以上に健康に気を配り続けること。そしてこれまた当たり前、誠実な仕事を心がけ、与えられた課題と真摯に向き合うこと。それから幕末の勉強を継続し、可能であれば『吉田大八』に関する論考を一冊にまとめ上げること。そしてもう一つ、欲張りな目標だがリフレッシュのための時間を可能な範囲でより多く捻出すること。ぼんやりとそんな一年にしたいと思っているところである。

本年も編集出版工房・書肆犀をなにとぞよろしくお願いいたします。

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