エッセイ集

武田和夫『航跡-V』『航跡-V』武田和夫著 2017年3月30日刊
B5判 160頁 並製本 定価/1,500円(税別)

第4編を出してから、3年間、毎月県医師会には医師が興味を持ってくれそうなもの、市医師会には一般向けに毎月1ページを埋めてきました。
終わりに近い砂時計は、残りの砂がどんどん少なくなるのがはっきり見えて、本当は同じ速度で落ちているのに、落ちる速度が速くなるような感じです。砂時計の砂の残り具合は目に見えますが、高齢になっても人生の残りの持ち時間は誰も全く分かりません。
東日本大震災と津波による原子力発電所の事故の後始末は、今後何十年もかかるでしょう。終わりがいつになるかわかりません。2016年4月には熊本城の堅固な石垣が崩れるような大地震が起こりました。日本列島は火山と活断層の上に作られているようなものです、温泉などの恵みもありますが、みんな災害と隣り合わせで生活しています。
戦後の復興で作られた高速道路や橋のインフラは、そろそろ老朽化が進み、災害対策が必要な時期に来ています。しかし橋も人間も明日も今日と同じだろうと考え、毎日を安易に過ごしています。
生きているもの、造られたものは必ず終わりがあります。尊厳死、老衰死、平穏死ということが話題になりますが、2人での生活もやがて1人になり、誰にも看取られない孤独死も、統計ではかなりの率で待ち受けています。そんな世の中に何か好いことを残すことを考え、好奇心を持ち、ボケないように頑張ってもう少しこの世の中で、お邪魔虫でも生かしておいてもらおうと思います。
(「第5編の序」より)


菊地隆三『ぐうたら草』『ぐうたら草』菊地隆三著 2017年3月30日刊
四六判 320頁 並製本 定価/1,300円(税別)

日本語を大切にし、しかも自由に何でも発表できる〈言の葉倶楽部〉という会員誌があるのを知り、かなり以前、私も參加させて貰った。
2008年から誌型を新たにして活動することになり、私もテーマを決めて、何か連載物を書いてみたいと思った。
私は医業を生業にして来たが、今の世情は、日本中、いや世界中、過激な競争社会で、皆、ストレスが溜まって苛立っている。
世の中が、余りギスギスしないで、寛容とユーモア心で、皆、もう少しのんびり生きる術はないかと、いつも思っていた。
私は、正直言って、生来、生真面目というよりは、むしろ、かなり(ぐうたら)な人間であった。
ふと、「ぐうたら草」という言葉が、思い浮かんだ。
ぐうたら草などという草があるかどうかは、全く知らない。
すると、必然的に、(徒然草)を思い浮かべた。
「よし。〈言の葉倶楽部〉の原稿は、(徒然草)のエピゴーネンで、(ぐうたら草)で行こう」と、心が決まった。
偉大なる兼好法師様の真似をするなどとは、浅学菲才のわが身では不可能に近く、また大変烏滸がましいことと思ったが、若い頃から(徒然草)を読み、(または強制的に読まされ続けて)、心から敬服しているので、もう700年近く過ぎた今日、その形式ぐらい真似ても罰が当たらないだろうと、勝手に決めこみ、2008年7月より、(ぐうたら草)の題名で、序段から書き始めた。
そして、2016年9月、やっと(徒然草)の最終段と同じ234段に、(ぐうたら草)も辿り着いた。
振り返って見ると、既に8年も過ぎ、私はとうに傘寿も過ぎたが、今なお生きている。
これは、天の御蔭というほかはない。
この度、(ぐうたら草)の出版を思い立ち、誌上に発表した時の各段の順位を大幅に組み替え、文面内容もかなり加筆・削除・訂正の上、單行本にまとめ上げた。
なお掲載した誌が〈言の葉倶楽部〉というものだから、文中に、以前から皆に大事にされて来た古典から現代までの、日本語の名句、名詩、諺、更に漢文など、随処に引用させて貰ったことを、感謝の気持を以って、付記しておく。
また、本の扉には、私の敬服する小松均画伯から頂いた『天』の一文字を使わせて頂いた。
本書が、現代の過激な競争社会でのストレス縮少に、少しでも役立てば、望外の喜びである。
(「あとがき」より)


『パリの街角から』阿部和久著『パリの街角から』阿部和久著  2016年1月31日刊
四六判 200頁 並製本 定価/1,300円(税別) 装幀:岩井哲

何歳(いくつ)になっても学ぶのは楽しい。本書は臨場感富むパリのガイドブックであると同時に、知ること、学ぶこと、異文化を体験することの楽しさを伝える「遊学のすすめ」である。山形西高退職後に、フランス語の学び直しを決意し、パリ留学に挑んだ阿部元校長の体験記から、私たちは「この一歩を踏み出す」ことの果実を知る。                      オックスフォード大学教授 苅谷剛彦

確かにテロはこわいけど、読めば絶対パリに行きたくなる。山形新聞の好評連載とフランスから生徒に送り続けた「西高通信」に大幅加筆、新しい『パリの街角から』が誕生した。 生きる喜びに満ちた、山形人による山形人のためのもう一つのパリ案内。

「パリで街を歩いていて時々ウインドウに映る自分を見て苦笑した。パーカーを着てジーンズを履いて足早に歩く姿。どこからどう見てもアジア系移民 の一人にしか見えない。それこそが掛け値無しの自分である。フランス語を使って今日を生き延びていけるか、ただそれだけが問われている。」 (本書所収「パリが好き」から)


桜花いのちいっぱいに咲くからに…『桜花いのちいっぱいに咲くからに…』本郷和枝著 2015年3月23日刊 四六判180頁 上製本 定価:1600円(税別) 表紙原画:竹内敏夫 装幀:岩井哲

「父や母、弟達、妹にも無償の愛を惜しみなく降り注いできたつもりだが、それも考えてみれば私の自己満足ではなかったのか。
過ぎたことをあれこれ悔やんでも仕方のないことだが、自分の生き方に深い後悔とやりきれない思いが残る。
〈愛〉とはやっぱり男と女の愛。互いに対等に、同じ目線でみつめ合えるものではなかったのか。今更のように青臭い少女じみた思いにとりつかれてしまう。
十数年前、山寺・風雅の国での講話でお目にかかった寂聴さんの真っ白な歯と瞳の輝きが、いまでも目に焼きついている。」     (「瀬戸内寂聴さんのこと」より)

2005年に刊行した詩集『パリ直行便』以来の、著者による2冊目の作品集。20数年の間に綴られた折々のエッセイを集成したもの。滋味深いことばが散りばめられている本書は、著者が社会と擦れ合うときの微妙な音そのものである。


柏倉一之『母は、ほんとうは、頑固で強かった。』柏倉一之『母は、ほんとうは、頑固で強かった。』
2012.9.28
B6判 150頁 定価/1,400円[税別]

著者が実際に体験した母の介護を軸に、家族の絆について書き下ろした一書。
読む者は、自らの生涯をどのように引き受け、全うしていくのか、知らず知らずのうちに問われよう。


佐竹幸子『星ふる村落からこんばんは』佐竹幸子『星ふる村落からこんばんは』
2011.12.8
B6判 248頁 定価/1,500円[税別]


西村岑一『デッカチ先生 学校日記』西村岑一『デッカチ先生 学校日記』
2011.9.30
B6判 248頁 定価/1,800円[税別]


後藤和弘『教えることは学ぶこと』
2006.8.25
A5判 234頁[非売品]


高橋英司『Xへの手紙』
2001.5
新書判 152頁 定価/1,000円[税別]


木村迪夫『田園の大逆襲』
1999.11
B6判 226頁 定価/1,800円[税別]


大原螢『枯木野の色』
1994.9
新書判 146頁 定価/1,000円[税別]


根津宏明『俺が、宇宙になる』
1990.7
新書判 132頁 定価/1,000円[税別]


高橋卓也『一回限りの絶賛上映』
1989.7
新書判 100頁 定価/1,000円[税別]


木村迪夫『くだもの・ずいそう』木村迪夫『くだもの・ずいそう』
1989.5
新書判 100頁 定価/1,000円[税別]


会田健一郎『SCRAP』会田健一郎『SCRAP』
1988.1
A5判変形 250頁 定価/1,800円[税別]

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