エッセイ集『桜花いのちいっぱいに咲くからに…』本郷和枝著

桜花いのちいっぱいに咲くからに…エッセイ集『桜花いのちいっぱいに咲くからに…』本郷和枝著
2015年3月23日刊 四六判180頁 上製本 定価:1600円(税別)
表紙原画:竹内敏夫 ブックデザイン:岩井哲

「父や母、弟達、妹にも無償の愛を惜しみなく降り注いできたつもりだが、それも考えてみれば私の自己満足ではなかったのか。
過ぎたことをあれこれ悔やんでも仕方のないことだが、自分の生き方に深い後悔とやりきれない思いが残る。
〈愛〉とはやっぱり男と女の愛。互いに対等に、同じ目線でみつめ合えるものではなかったのか。今更のように青臭い少女じみた思いにとりつかれてしまう。
十数年前、山寺・風雅の国での講話でお目にかかった寂聴さんの真っ白な歯と瞳の輝きが、いまでも目に焼きついている。」(「瀬戸内寂聴さんのこと」より)

2005年に刊行した詩集『パリ直行便』以来の、著者による2冊目の作品集。20数年の間に綴られた折々のエッセイを集成したもの。滋味深いことばが散りばめられている本書は、著者が他者あるいは社会と擦れ合うときの微妙な和音や軋み音そのものなのかもしれない。

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