南伸坊さんからのお便り

「養正館のひぐらし」の装丁をしてくださった南伸坊さんは、次のような感想を述べられております。

野口千明 さま

きのう読み終わりました。
とってもおもしろかったです。
主人公の少年達が特段大活躍する
というわけでもなく、
戦でめざましい勝利に湧くでもなく、
どんどん日々は過ぎていき
理不尽な運命や、
歴史の流れには抗いようもない。
そういう日々を周太郎や志津馬やと
一緒にすごしたような気分です。
めざましいことがあるわけじゃないのに
読者を飽きさせないスピード感があって
黒沢映画をみるようだなと
さいごまでひきつけられました。
傑作です!
計算がしっかりできる子分でてきたり
戦のときにかかる金額なんかの
とってもきちんと、てきぱきしてるのも
「なんかたのもしい」っていうか
ちゃんとしてておもしろかったです。
どんな場面を表紙にしようか
よくかんがえます。
とにかくおもしろかったんで
とりあえずそれだけ伝えたくて。

ではまた。

南 伸坊

ご本人の承諾を頂戴して転載させていただいております。

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