白河・会津行〜戊辰150年〜

きのう(9月22日・会津藩降伏の日▶︎会津祭り)は、午後3時から白河市立図書館にて、楽しみに待っていた直木賞作家・中村彰彦氏の「戊辰関連」講演会。フィールドワークの広さを感じさせるすばらしい講演だった。たとえば、旧幕軍・新政府軍ふくめた戦死者の数・1万数千を、アメリカ南北戦争やフランス革命、ひいては中国の文化大革命といった数々の世界史的事変との比較のなかでみたとき、そこにはたしてわが国の人々の死生観の顕われとして、何がみえてくるのか。ふと日本人独特の死生観が隠されてやしまいか。こんな視点で戊辰戦争を考えたことなど1度もなかったことに気づかされたり、あの熾烈な会津籠城戦でさえ〈開城〉としての終焉だったのに対し、二本松藩がどうして少年隊もふくめて〈落城〉するまで徹底的に戦ったのか、そのメンタリティのルーツを戦国時代の丹羽長秀までさかのぼって解き明かすなど、実にスリリング。とにかく、あっという間の1時間30分だった。講演終了後、会場の隅にずらり並べられた中村氏の著書17作のなかから新刊の『幕末維新改メ』(晶文社刊)を求め、満たされた気持ちで会場をあとにした。

追伸 「晶文社」がまだ頑張っていることを知ってなぜかほっこり😀

 

 

 

 

 

 

今日(9月23日)は福島県立博物館と会津鶴ヶ城に……。                       快晴ということもあってか、すごい人出だ。

今回の白河・会津訪問の目的は、中村彰彦氏の戊辰戦争をテーマとした講演をきくことをメインとしつつ、当然予想された「戊辰戦争150年」にまつわる新たな研究成果を盛り込んだレアな出版物(図録や資料集)の調達でもあった。

きのう小峰城(白河城)近くにある白河集古苑で買い求めた図録「戊辰戦争と白河」、きょう入手した新潟県立歴史博物館・福島県立博物館・仙台市博物館3館の共同制作による図録「戊辰戦争150年」、さらに若松城天守閣郷土博物館が刊行した「一八六八年の会津藩」という図録それぞれが、期待していた以上なのだ。奥羽越を蹂躙し続けた戊辰戦争から150年という節目の年でもあるからだろうが、これらの図録編集に注がれた制作者たちの熱意と努力、その過程で幾度も押し寄せたであろう労苦に耐え抜かれた意志の強さを思うと、ただただ頭がさがる思いである。
まさしく150年のあいだに着実に集積されてきた資料(史料)の集大成的な密度を示していて、真に書かれるべき新たな幕末史へのエントランスのようで、小生はまちがいなくワクワクしているところである。

今年もお天道様が好天を恵んでくれ、楽しい2日間となった。感謝!

 

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