思い出すこと〜モノローグ 3・11〜

10年前の3・11以降、連日テレビではいろんな学者さんたちがコメンテーターとして呼ばれ、口々に「メルトダウンは考えられない」「メルトダウンなどあり得ません」「日本人には核に対する独特のアレルギーがあって過剰に心配してしまう傾向がある」なんて、図解入りで熱弁していたなぁ。

結果的には、彼らがさんざん否定していたメルトダウンが、あの時すでに現実のものとして進行していた訳で、今さらながら、あの学者さんたちの口から出ていた情報は何だったのか、その意図を考えてしまうと頭がくらくらしてしまうくらいだよ。

当時テレビ局に勤務していた友人の話によると、福島第一原発爆発事故の翌日、すでに山形市内で中性子を計測そして記録した学者がいたそうだ。ということは、それってメルトダウンがあったことを意味するんだそうですよ。

コメンテーターとして連日テレビ特番でまことしやかに解説していた専門家たちがその情報を知らないわけがありませんよね。ましてや福島原発周辺ではさまざまな危機管理の作業が行われていたわけで、いろんな数値が報告として上がっていたはずですからね。もし友人の言うとおり山形市内での中性子計測・記録が事実であったとすれば、置賜、上山、山形市内のみならず広範囲の住民が被爆していたということになるわけで、あぁ恐ろしや…。

ところが、とりわけNHKの福島第一原発事故に関する特別番組では、傾向としてその後もしばらくの間「メルトダウン」否定の論陣を張っていた印象が強かったなぁ。それから10年。このたび講談社から出版された700頁超の『福島第一原発事故の「真実」』(2021年3月1日発行)をみると、なんと驚くなかれ「NHKメルトダウン取材班」の著作とある。

ホント不思議な気分になってしまうよ。リアルタイムでは隠蔽の意図をもってさんざん嘘の報道をしてきたNHKが、今更「真実」を語るだって、いったいどうなってるのか?この「真実」も「信頼」に足るものなのか、悔しいかな小生にはその判断すらできないなぁ。

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