南伸坊さんからのお便り

「養正館のひぐらし」の装丁をしてくださった南伸坊さんは、次のような感想を述べられております。 野口千明 さま きのう読み終わりました。 とってもおもしろかったです。 主人公の少年達が特段大活躍する というわけでもなく、 戦でめざましい勝利に湧くでもなく、 どんどん日々は過ぎていき 理不尽な運命や、 歴史の流れには抗いようもない。 そういう日々を周太郎や志津馬 …

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ついに刊行!『養正館のひぐらし』野口千明著

刊行が遅れておりましたが、ようやくこぎ着けました。天童藩校養正館に学ぶ少年たちの目線で描いた戊辰戦争をめぐる野口千明氏渾身の時代小説です。とりわけ天童藩にとって「庄内藩征討」は、いろいろな意味で熟考を強いてくるテーマです。野口氏独自の視点で書かれた物語をお楽しみ頂けたらと思います。 内容につきまして、松田哲夫氏の解説文「野口千明『養正館のひぐらし』に寄せて」 …

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西郷隆盛と菅実秀、そのミステリアスな美談。

戊辰戦争における新政府軍との戦いで一般論的に言えば負け知らずだった庄内藩も、秋田戦線を軸に戦況を最後まで有利に展開していたが、慶応4年(1868)9月26日、ついに奥羽越諸藩全体の動向とのかかわりの中でやむなく恭順降伏するに至る。しかしながら、庄内藩に対し新政府が行なった戦後処理は、会津藩に対する藩領の全面的な没収や斗南(現在の青森県むつ市)への転封という冷 …

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いわずもがな、人間は変化する。

《恭順を拒んだ額兵隊隊長星恂太郎》 幕末期の仙台藩最精鋭部隊であった額兵隊の隊員たちは、赤と黒のリバーシブルで粋な軍服を身にまとっていたと伝えられている。星恂太郎というアニメの世界から飛び出してきたかのような名前の人物が、その部隊の隊長であった。星は天保11年(1840)、仙台東照宮六供の一戸・星道栄の長男として生まれている。頭角を顕したときは仙台藩内きって …

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鹿の肉は誰が運んだのか?

『土方歳三戊辰戦記』(田中真理+松本直子共著:新人物往来社/86〜87頁)に興味深い場面が記されているので紹介してみたい。各地を転戦してきた戦士たちが慶応4年(1868)9月3日仙台城に集結し、歴史的な軍議を迎える直前(8月下旬から9月2日まで)の状況が描かれている。 「錚々たる人物が集まったが陸路をやってきた人々はつまるところ逃げて来たのだから、いずれも戦 …

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間近!貴重な歴史講座。

1月16日付本欄で紹介させて頂いた「上山藩の奇兵隊」についての詳しい歴史講座が、来る4月9日(土)午前10時から上山城1F多目的ホールを会場に開催されます。掲げられた正式なテーマは「領民たちの戊辰戦争~上山藩 “奇兵隊 ” “ 集義隊 ” “ 郷夫 ”」。講師は新資料を発見された公益財団法人上山城郷土資料館学芸員・長南伸治氏です。 これまで奇兵隊といえば長州 …

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仙台藩士一条十郎の証言

去る2月13日(土)に開催された長南伸治氏(公益財団法人上山城郷土資料館学芸員)による「上山城古文書講座:金子清邦宛書状を読む」において、上山藩の戊辰戦争に関するきわめて重要な資料が配布された。まずはテーマの金子清邦へ宛てた仙台藩士一条十郎の書状そのもの。その一条十郎とは仙台藩内においては攘夷派の人物として知られ、金子清邦に宛てたその文面によって、金子清邦が …

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原田伊織氏の新著について

〝恫喝外交をしかける欧米列強外交団、大英帝国の支援を受けた薩摩・長州のテロリズム、命を賭してわたり合った幕臣官僚たち。日本近代史を覆す衝撃の維新論「明治維新という過ち」待望の第二弾!〟 これが新著の帯に刷りおかれた文言である。  圧倒的なインパクトを与えた前著『明治維新という過ち』(毎日ワンズ刊)の続編として、つい先日、『官賊と幕臣たち〜列強の日本侵略を防い …

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上山藩にも奇兵隊が存在していた?

公益財団法人上山城郷土資料館に収蔵されている古文書のなかに、幕末関係の面白い資料が含まれていると、先日、学芸員の長南伸治氏が立ち話の折、教えてくれた。 それがどういう物なのか尋ねると「幕末期の上山藩にも奇兵隊という名称の一隊が存在していた」という耳を疑いたくなるような内容なのである。小生はこれまでまったく聞いた事はなく、すでに刊行されている上山藩関連のさまざ …

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2016年、スタート。

歳とともに雪が苦痛になってきているなか、積雪の無い市街地の正月はほんとうにありがたい。 今年の元日も昨年同様午前中は上山城へ。毎年「かみのやま三曲練習会」による恒例の邦楽の調べで、正月気分を贅沢なまでに満喫できる。演奏はもちろん、毎年邦楽についてのいろんなガイドをしてくれるので愉しさも倍加されるのがこの企画の特徴で、ことしは楽器つまり箏・尺八・三味線・十七弦 …

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