「四月は一番残酷な月・・・」で書き出されたT.S. エリオットの詩(西脇順三郎訳)が頭に浮かぶ。が、それはいまの私とは遠くかけ離れた世界だ。春は、雪と寒さからの解放だし、一斉に芽吹く薄緑色の自然に囲まれるすばらしい季節だからだ。なによりも穏やかな日差しは何とも言えない。そんな季節が間もなくやってくる。
ずっと辛抱していた気持ちを脱ぎ捨てて、寺山修司のことばにたっぷり皮肉を加味していえば「書をもって街に出よう」だ。また、あちこち幕末関連の資料や戊辰戦跡を見て廻ろうと思っている。幸い昨年もそうだったように、今年もお天道様に見守られて楽しい時間を過ごせる予感がある。ほんとうに天候には恵まれ、旅の味をいっそう引き立ててもらった気がする。今年もよろしくお願いしたいものである。