勝沼精之允・ます、そして勝沼精蔵

◐とても身近な幕末の話◑ 幕末の動乱期は、多くの藩において藩論が割れ、混沌とした状態にあったが、館林藩も例外ではなかった。現在から見れば、薩摩・長州・土佐・佐賀を中心とした倒幕目的の展望無きクーデターであったわけたが、渦中にあっては、その本質をなかなか見通せるものではなかったのだろう。我が国の近代化は倒幕後に始まったという強引な史観も、官軍教育のなかで刷り込 …

続きを読む>

ちょっと(いや、かなり)恐い話

 幕末の闇は理解を越えてしまうくらい深いと言うしかないようです。  わが国の初代首相伊藤博文は1909(明治42)年10月26日、吉林省浜江庁ハルビン駅で大韓帝国藉の独立運動を推進する活動家安重根(アン・ジュング)に襲撃され死亡しました。親日家としても知られていた安重根ですが、大韓帝国との関係においては残念ながら日韓併合へと道を開いた伊藤博文は、侵略の元凶い …

続きを読む>

謎めいた記憶〜故・片桐繁雄さんの話〜

かつて幕府の巡見使に随行して天明8年(1788)山形を訪れた文人古川古松軒(1726~1807/『東遊雑記』等紀行文著者)は、久保手から花川の西、谷柏から長谷堂周辺一帯に広がる紅花畑の光景をみて感動したと記している。 さて、時代は移ろい幕末戊辰戦争のときの話だ。その美しい長谷堂城跡の麓に代々住まいしていた片桐家のご先祖にまつわるエピソードである。祖父から父に …

続きを読む>

雲井龍雄「討薩ノ檄」全文の大意

討薩檄 薩摩は、最初攘夷を主張して、幕府の開国を貶めて批判していたのに、自分が権力を握ると開国を主張し始めた。なんの一貫性もなく、当初攘夷を主張していたのは自分の野望を遂げるためであった。この罪を問わなくてはならない。 日本には、海外からの危機はあるといっても、日本固有の制度や歴史がある。しかるに、薩摩が専制権力を握ってから、あまりにも急激で無理な改革を推し …

続きを読む>

凄い本が出ましたね。

注目!『孝明天皇の毒殺説の真相に迫る』 仙台在住の医師・橋本博雄氏が孝明天皇病死(痘瘡)説を、医学的な視点から完全に否定する論文を著し、それに着目した直木賞作家の中村彰彦氏は近著『孝明天皇の毒殺説の真相に迫る』(2023年8月25日刊:中央公論新社)において、その論文を紹介しながら、孝明天皇に置毒(薬湯にヒ素を混入)した女官を追っている。 氏は以前にも『幕末 …

続きを読む>

資料◎山村求馬の短刀発見について

⬆️ 記事をクリックすると拡大表示されます。 〈参考資料〉山村求馬(弘章)について 小田原の北条氏を滅ぼした豊臣秀吉は、すかさず天正18(1590)年、徳川家康を関東へと封じた。その際、三河の松平一族(14松平氏)の中には家康の移封に帯同し、関東一円に移るものも少なくなかった。その一団に松平利長(としなが)を中興の祖とする藤井松平 …

続きを読む>

金子与三郎と吉田大八

歴史ロマンを新たなイベントにできないものでしょうか? 上山藩・金子与三郎と天童藩・吉田大八。 ともに家老にまで昇りつめた俊英。 幕末の上山藩士金子与三郎と天童藩士吉田大八は若い頃よりとても仲がよく、一緒に鍋をつっつきながら酒を酌み交わし時勢を語り合っていたという。ご存知の通り、両者は晩年にともにそれぞれの藩の家老に抜擢されたものの、無念の最期を遂げている。資 …

続きを読む>

「ふるさと散歩」講演動画がアップされました。

2022年11月26日(土)に開催されました上山市立図書館主催の「ふるさと散歩」講演動画がフル・タイムでアップされました。下記URL(青色文字をクリックしてください)にて公開しておりますので、宜しかったらどうぞ。当日会場にて配布させていただいた資料もお読みいただけます。 ただし、約90分の講演ですが、大変申し訳ございません、途中1分ほど機材のトラブルがあり、 …

続きを読む>

上山市立図書館「ふるさと散歩」のご案内

上山市立図書館「ふるさと散歩」において講演を行うことになりました。テーマは、まだ誰も書いたり語ったりしたことのないと思われる「藤井松平宗家〈改易〉の謎」についてです。どこまで追えるのかこころもとないのですが、頑張ってみたいと思います。 日時は2022年11月26日(土) 14:00~15:30 定員40名程度(要事前予約) ところで、先日2022年11月5日 …

続きを読む>

藤井松平氏の盛衰に関する私論

寛政年間(1789年—1801年)に江戸幕府によって編纂され、文化9年(1812年)10月に完成した1,530巻にも及ぶ大名や旗本の膨大な家譜集がある。いわゆる『寛政重修諸家譜(かんせいちょうしゅうしょかふ)』である。それによると藤井松平氏は「14松平氏」の1つの譜代大名にかぞえられている。 その藤井松平氏だが、隆盛期(下総国古河時代=現在の茨城県古河市)に …

続きを読む>

go top