9月8日(木)、台風13号くずれの温帯低気圧が東北地方の太平洋側を縦断し、さすがに荒れ模様の天候となった。その日、仙台市青葉区本町にある江陽グランドホテルにおいて「東北ブロック老人福祉施設研究会」が開催され、小生は、不思議な縁が重なって「みちのくの明治維新~なぜ奥羽越は賊軍と呼ばれるようになったのか〜」というテーマで、大会の記念講演をやらせて頂く機会に恵まれた。会場に集まられた参加者は、スタッフの方の話によると実に総勢850人とのこと。小生にとってまちがいなく生涯一度の貴重な、夢のような体験となった。
ここに至るそもそもの発端は、偏に、拙著『異貌の維新』を刊行してくださった版元・紅花書房(山形市)のご主人庄子敏夫氏が、労をいとわず東北一円の主だった書店に拙著を配本して下さったことにあった。そのことによって、仙台市内の某書店で偶然、今回のイベントの準備をなさっておられた仙台支部の重鎮高橋治氏の目にとまり、購入してくださったことから動き出し、読了後、テーマが東北全体にかかわる内容であったことなどからだろうか、光栄にも小生を大会での記念講演の候補に挙げて下さったという経過があったとお聞きしている。
拙著『異貌の維新』をまとめた本人からしてみれば、これ以上の喜びはなく、嬉しいのひとことであった。皆さんの前でお話しさせていただけること自体、これまであまり描かれることのなかった奥羽越の幕末・明治維新期の景色=《もうひとつの維新史》の一端を知っていただける稀な機会でもあると考え、喜んで引き受けさせて頂いた次第。まさしく《縁は異なもの味なもの》の諺の意味を実感することとなった。
主催・準備・運営をされた大会スタッフの皆様、そして、会場で小生の拙い話を90分に亘って真剣にお聞きくださった参加者のひとり一人に、心よりお礼ならびに感謝の気持を申し上げたいと思う。ほんとうにありがとうございました。