妙法寺(観月庵)での「大八忌」

 昨日は、幕末期の天童藩中老・吉田大八の命日にあたり、天童市にある妙法寺(観月庵)で法要が営まれた。毎年この日には寺に多彩な講師を招いて、さまざまな講演会を開催しているが、今年は安積国造神社第64代宮司・安藤智重氏による「近代日本の源流安積艮斎」というテーマでの案内だったので、期待いっぱいに参加させて頂いた。「安積艮斎」(1791〜1861)という名は、幕末に関するいろんな図書をめくっていくと、「佐藤一斎」(1772〜1859)と並んで頻出する学者のひとりで、主宰する私塾において多くの有能な人材を育て上げた人物であることは多少知っていたが、その思想や生い立ちについてはこれまで詳しく調べたことがなかった。したがって、そんな意味でも講演を聞くのはいい機会だった。とくに、聞いて痛感したことは、幕末に闊歩したさまざまな人たち(もちろん幕末に限らない)の行動をより深く理解するには当時の学問(儒学、朱子学・陽明学e.t.c)を体系的に把握しておく必要があるということだ。考えてみればこれは至極あたりまえのことで、怠けていた自分が問題なだけなのだが・・・。その作業をふまえた上で、時代背景を重ね合わせると、イメージでしか描けていない歴史上の人物がよりはっきりした輪郭を持ってみえてくるのだろうとも思った。1時間ほどの講演だったが、話もわかりやすく、有意義なひとときであった。なんとも、ますますやらなければならないことが膨れ上がってしまった。

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