記者会見への寸感

 線量計に鉛のふたをして、警告音が頻繁にならないように細工をしていた会社の社長が、記者会見で言っていた。「あまり警告音が鳴り続けると作業員が不安に思うから……」。耳を疑った。作業員が不安に思うから、放射線を限度より多く浴びさせてあげられるように工夫したという文脈ではないか! 万が一、鉛のふたの効果で直前まで警告音がならず、高濃度の放射線量地帯にその作業員が突然入ってしまったら……。それも想定外で済まされることになってしまうのだろうか。茶の間に飛び込んでくるニュースなんて氷山に一角に過ぎないのだろうから、福島原発(もしかしたら全原発)周辺では報道されない大変なことがいっぱい起こっているのかもしれない。線量計に鉛のふたをして現場に向かわせる思想は「人間魚雷」のそれとどこが違うのだろう。

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