本が売れる、売れない。

 良い悪いは別。新聞の書評欄で取り上げられると、その本は書店での動きを活発化させる。比喩的に言えば、載ると載らないとではまさしく月とスッポン。この現象を逆から考えてみると深刻な問題が隠されている事を知る。本は、その初動において、内容で売れたり売れなかったりしてるわけではないということになる。メディアに露出したかしないか、この外的な要因が、その本の市場的な意味のかなりの部分を形づくることになるということだ。著者にとって深刻な問題だが、おなじように書店にとっても重大事なのである。
 本の画期的な売り方はないものだろうか。瞬時にして内容を知って頂き、それが素朴に購買の可否の判断材料となる。その場合は、かりに購買者に自分の著書が選ばれても選ばれなくても、充分納得しうるものとなろう。
 読書離れと言われているが、必ずしもそうとは思えない。それぞれの領域にはマスとまでは言えないが潜在的な読者層がいて、良著の出現を心待ちにしているのであるから・・・・・。

go top