天皇杯三回戦、浦和レッズに3−2で勝利したモンテディオ山形。試合後、両陣営のファンからはいろんな声があがっている。当然なことだ。J1第三位の浦和がJ2第九位の山形に勝てなかったのだから・・・。
浦和はリーグ戦に先発している選手を、次節鹿島アントラーズ戦のために温存、山形を見くだしたと取られてもしかたがない布陣でキックオフ。このことを重視して浦和の敗因を語る言葉が殆どだが、はたして如何に?
さて、私はかねがね、負けるとすぐ「監督やめろコール」を繰り出すサポーターの反応に対して、奥野監督の目指しているサッカーはJ1でも通用するサッカーで、そういうチームを作り上げることで、現段階で勝敗に一喜一憂していることの無意味さを、以前このブログ上で書いた。まさしく私のそんな見方が的中したような、内容の濃いゲームであったと思える。決して引いて守るようなネガティブな姿勢ではなく、積極的にプレッシングを継続しながらボールを奪い、素早く攻撃に切り替える。守りも最終ラインを高く保ち、相手の戦術をみながら巧みに陣形をスライドさせるフォーマットだ。
今シーズンのJ1昇格がどうなるか私にはわからないが、仮に果たせなかったとしても、ぜひ奥野監督に来季も指揮を執って欲しいと思っている一人である。昇格した後、アルビレックス新潟のように、あるいはベガルタ仙台のように、長年J1というステージに踏みとどまれる実力をモンテディオ山形に植え付けて欲しいからだ。現在のサッカーも観ていてかなり面白いが、如何せん安定感がない。せっかく素晴らしいゲームをしても、次の節、どうにもならないミスで簡単に負けたりもする。そんなチームを日本代表選手だった奥野監督・相馬ヘッドコーチのコンビでワンランク上のチームへと成熟させてほしいのである。