詩集『はるかなる宇宙の片隅の風そよぐ大地での草野球スヌーピーとチャーリー・ブラウンとその仲間たち -108 Collected Poems on Peanuts-』万里小路 譲 著
2015年5月5日刊 B6判 136頁 定価:1,200円(税別)
チャールズ・シュルツ氏の『ピーナッツ』に惹かれたのは、四半世紀も前のこと。ペーパーバックの原書の数頁を高校の英語の授業でウォーミングアップ教材として扱ったことがきっかけであった。気楽で肩肘張らない学習であったせいか、それとも奇想天外な発話の数々に魅せられてか、それとも単にスヌーピーがキュートなせいか、生徒には好評であった。回を重ねるにつれ、日常生活にありながらも奇抜な世界を展開する会話文は調子がよく、コミカルでありながら格調があるのはなぜかと考えていた。発せられる台詞に不思議な魅力があるのである。犬や鳥(Ⅰの章)と子どもたち(Ⅱ~Ⅳの章)しか登場しない漫画であるが、内容は子どもだましのものではない。滑稽でユーモアを醸しつつ開かれゆく深遠な哲理は、高校生にすら十分に理解できていたとは言い難い。いや、私にすら十分に理解できていたとも言えまい。それはなぜだろうと考えているうちに、4行4連の詩ができあがっていった。思えば不思議な時間を享受させていただいたものである。(「あとがき」より)