勝海舟、もう一つの顔

倒幕派に人脈を持ち、それゆえ維新後、偉人として幻想を纏い続けることになった人物=勝海舟。徳川幕府の禄を食む幕臣でありながら、幕府内部の重要な情報を倒幕派にリークした人物でもある。「禁門の変」において御所に大砲を撃ち込んだ長州藩を征伐しようとした通称「長州征伐」の第二次決行を前にして、勝海舟は、幕府内で第一級の機密事項であった小栗忠順提言による「郡県制構想」を …

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サッカー日本代表監督・考

サッカー日本代表監督について考えてみた。 この度、疑惑によって解任されたアギーレ氏問題について、小生はアジアカップの直前でも解任すべきと考えていた。アジアカップに臨む選手たちのコメントを読むと、アギーレ氏にかけられた疑惑は、ゲームに臨む選手たちにとって「関係ない」というものだったが、深層心理的に「関係ない」わけがないと思えたからだ。それは結果が思わしくなかっ …

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大河ドラマ「花燃ゆ」への眼差し

NHK大河ドラマ「花燃ゆ」は、始まったばかりだが視聴率の低迷状態にあるらしい。とはいっても小生には視聴率に関する興味はまったくない。あの幕末期、開国を決断しようとしていた幕府の要人(とりわけ大老井伊直弼)、公家・武士を問わず、同調者らに次々と陰惨なテロを断行していった長州藩過激派の教祖とも言うべき吉田松蔭を、ドラマ「花燃ゆ」はどう描くのか、これだけに興味をも …

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江戸時代最後の元号は「延壽」?

江戸時代最後の元号は、はたして「慶應」なのだろうか?   戊辰戦争時「東日本政権」(もしくは北方政権)が樹立され、新しい帝・輪王寺宮公現法親王が即位し、元号を「延壽」としたという記録が残されている。「大館戊辰戦記」(大正8年刊)。史実ならまさに驚きである。 慶応4年(1868)8月22日の出来事、つまり盛岡藩(南部藩)と秋田藩の戦闘に関わる秋田藩側(新政府軍 …

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「人前で話す」ということ

最近、柄でもないのに人前で話す機会が増え、自分としては何となく複雑な気持ちである。 もちろん機会を与えて頂いて、そこで伝えたいことを何の制約もなく自由に喋らせて頂けるわけだから、確かに嬉しいシーンには違いない。だが、心のどこかに「専門家でもない自分が、話の内容にどこまで責任をもてるのだろうか」という自省心も渦巻いていることも事実なのである。それでも、オファー …

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新しい視座の「明治維新」論

まったく新しい視座から、驚きに満ちた幕末維新論を展開されている原田伊織氏の新著が刊行され、さっそく購入。前著『明治維新という過ち』の改訂増補版である。 「史実を知ろうとする場合には、細心の注意が必要である。近年は誰もが一次資料だ、二次資料だと騒ぎ立て、一次資料というだけで無条件に信じ込む単純さが幅を利かせているが、私はもともと、書き物だけが資料だとは思ってい …

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神保亮さん、ありがとうございました。

闘病中だった尊敬する神保亮さんがまさに年が明けた1月1日に逝去された。享年78とのこと。地域誌「やまがた散歩」が廃刊になり、「郷土の雑誌として何か創刊できないか」という八文字屋の社長五十嵐太右衛門さんの発案を受け、八文字屋本部で開かれた「やまがた街角」創刊準備のための第1回目のミーティング(2001年・春)ではじめて神保亮さんにお会いし、それから十数年、一方 …

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2015年、スタート。

12月中旬から毎日のように雪が続き、元日の今朝も雪片付けからのスタート。なまった身体にはいい運動になるが、気分的には正直言ってやはり重い。 今年も午前中は上山城へ。「かみのやま三曲練習会」による恒例の邦楽の調べで正月気分を満喫。箏・尺八・三味線・十七弦という日常ではなかなか耳に出来ない楽器の演奏を一時間程拝聴することができた。普通の邦楽演奏会では「曲目の解説 …

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詩人「川英治」の全4作品

2014年9月19日付で簡単に紹介した「川英治」という詩人について、調査を終了しましたので結果を掲載しておきます。当時のブログには「川英治」の詩作品について2篇だけ残されていると記したが、その後さらに2篇の作品の存在が確認され、全4作品ということになる。 さて、上山には、大正末期から昭和初期にかけての詩人として、山形県における近現代詩の黎明期を担った代表的抒 …

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いっとき《奥羽越》はひとつになった!

前著『幕末奥羽の閃火』を刊行して3年。ずっと拘って《奥羽越》の幕末を調べてきました。そこで見えて来たのが、西国雄藩に「白河以北・・・」と揶揄されなければならないほど奥羽越は政治的にも風土的にも未開の地ではなかったということです。むしろ新政府がイメージ出来ないような、先取の共和制的な政治理念すらあったようにも考えられます。 その周辺を新書判にまとめ間もなく上梓 …

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