どんな領域のことでも、職業をもつかたわら地道に表現活動を持続することは大変なことである。でも、いったん、表現として他者の目(あるいは耳)にさらされるとき、その表現者がおかれている境遇など一切がどうでもよいことがらである。その表現者がプロかアマかなどのっけから問われるとしたら、せいぜい太鼓持ち間にのみ流通する密室的な暗号にすぎまい。 しかし、一個の表現者に …
続きを読むどんな領域のことでも、職業をもつかたわら地道に表現活動を持続することは大変なことである。でも、いったん、表現として他者の目(あるいは耳)にさらされるとき、その表現者がおかれている境遇など一切がどうでもよいことがらである。その表現者がプロかアマかなどのっけから問われるとしたら、せいぜい太鼓持ち間にのみ流通する密室的な暗号にすぎまい。 しかし、一個の表現者に …
続きを読むそれにしても、最近のテレビの画面から飛び出してくるニュースは凄い。原発事故による廃炉作業員への特別手当が、幾重もの下請け構造の中に吸収され、現場作業員には渡っていなかったというとんでもない話。一家惨殺、通り魔、他人のパソコンを遠隔操作してなされる犯罪も出て来ている。世界に目を向けても、性懲りもなく繰り返されるイスラム教原理主義者とキリスト教原理主義者との国 …
続きを読むクーデターと言ってよい「王政復古」の失敗のあと、西郷隆盛の命令で、旧幕府勢力を挑発するための江戸市中撹乱策動に利用され(薩摩藩邸焼き討ち事件を誘発)、その後「偽官軍」として処断された「赤報隊」。その組織概要について調べたとき、1番隊=相楽総三グループ、2番隊=御陵衛士グループというように、そこまではそれなりに納得出来たのだが、3番隊の構成メンバーがどうして …
続きを読む戊辰戦跡を巡って長岡市と小千谷市に行ってきた。驚いたことに、長岡市内には「河井継之助記念館」のみならず「北越戊辰戦争伝承館」という立派な施設があり、そこでは、ジオラマ上で長岡城攻防戦の全貌を音声入りで学習出来るようになっていた。そのほかにも、市内にはさまざまな碑や史跡があり、それぞれに標識や表示板も完備し、訪ねる者は不満を感じることなく巡回出来るようになっ …
続きを読む詩を書く人を詩人という。それは言わずもがなのことだ。だがそれに加えて、わたしは、詩を読む人も詩人なのではないかと思っている。では、詩を書いている人は〈何を〉表現しようとして詩を書いているのだろう。また、詩を読もうとする人は〈何を〉受け取ろうとして詩集のページをめくるのだろう。もちろん十人十色であることは分かり切っている。 正直に印象を記せば、そのような純 …
続きを読む『明治維新という過ち』原田伊織著、『「朝敵」たちの幕末維新』新人物往来社編が相次いで刊行され、これまで定説化されてきた薩長史観による歴史記述の内容が積極的に再検討され始めている観がある。もちろんこれまでも数多く「敗者」の視点から書かれた幕末維新論はあったが、それらは部分的な修正作業にとどまっている印象にあった。が、正史自体を根底から書き直そういう意欲によっ …
続きを読むスカパーで「甲府VS湘南」をチラっと観たあと、「モンテディオ山形VSFC岐阜」をじっくり観戦。何が違うんだろう? 「甲府VS湘南」を観ていた時に感じた緊迫感や躍動感が、わがモンテディオのゲームから感じられないのだ。もちろん得点の匂いもしない! この感触はどこからやってくるのだろう? そして結局ゲームはスコアレスドロー。重症だなぁ。残り4試合、ファンが納得す …
続きを読む連休の一日、白石城周辺を散策してきた。こじんまりとしていたが正真正銘復元された城で、当時の面影を今に伝える貴重な建造物である。さすがに片倉小十郎の土地らしくそちこちに「小十郎」と染め抜かれた幟が風になびいているのが目につく。そして近くには堰があり、清らかな水の流れのなかで金魚草が気持ちよさそうに揺れているのが見えた。また、その傍には、片倉家中の武家屋敷も一軒 …
続きを読む批評は自己責任において自由に表現されてしかるべきものだ。ただし、書き手の意識し得ない所で、そのことによって傷ついたり、思い悩んだりする人が生まれるとすれば、批評的言語でさえいつでもひとつの暴力になり得る。ありとあらゆる配慮をもってするのが批評ということになろう。もちろん、批評は作品自体に向かって放たれる言語で、人格を攻撃するものでない以上、批評的言語の抑圧 …
続きを読む「八重の桜」。はたしてどんなドラマになるものか。「龍馬伝」の、時代背景に対する作りの薄っぺらさにはとてもがっかりしたものだが、今度のテーマはその時以上に難しいだろうと思われる。なにせ、朝敵とされ、賊軍の女性兵士として生き延び、その後新時代をも生きぬいた女性を描くわけだから。会津藩が朝敵としておとしめられていく背景・プロセスの描き方によって、このドラマの作品 …
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