明治42年5月25日、山形県南村山郡宮生村宮脇(現在の上山市宮脇)に父鈴木善三郎、母なかの長男として一人の詩人が生まれた。父は「実直に働く典型的な入婿」で、母は「『文芸倶楽部』から泉鏡花の小説だけを集め」、自分で一冊の本にして愛読していたほどの女性だったとある。なるほどと思う。彼が詩を書き始めることになったのは15歳前後から。19歳の時には「新山形」の新聞記 …
続きを読む明治42年5月25日、山形県南村山郡宮生村宮脇(現在の上山市宮脇)に父鈴木善三郎、母なかの長男として一人の詩人が生まれた。父は「実直に働く典型的な入婿」で、母は「『文芸倶楽部』から泉鏡花の小説だけを集め」、自分で一冊の本にして愛読していたほどの女性だったとある。なるほどと思う。彼が詩を書き始めることになったのは15歳前後から。19歳の時には「新山形」の新聞記 …
続きを読む文久年間はテロリストたちを中心に攘夷の熱病が蔓延していた時代。 幕府は〈天誅〉や〈夷人斬り〉と称するテロが横行する京都の治安を守るに京都所司代と京都町奉行だけでは限界があると判断、新たに京都守護職の設置を決断。そして文久2年(1862)閏8月1日、福井藩主松平春嶽(しゅんがく)らの進言もあり、会津藩主松平容保(かたもり)が家老西郷頼母(たのも)の執拗なまでの …
続きを読む幕末動乱の最中(鳥羽・伏見の騒乱時)、岩倉具視の思いつきで「錦の御旗」が打ち立てられ、それに恐怖した徳川慶喜は江戸へ逃げ帰ることとなった。これが一般的な言われ方として残る「錦の御旗」にまつわる当時の状況である。 その「錦の御旗」についておもしろい記事を見出したので、以下紹介しておきたい。 「錦旗は承久の乱に後鳥羽上皇より10人の大将に賜り官軍の標となされ後元 …
続きを読むJ2リーグ 第10節、ファジアーノ岡山戦。0対2でモンテディオ山形の完敗。 4月20日付のブログで「味のないモンテ・サッカー」を書いたばかりだが、今日のゲームも「策なし」の窮屈なサッカーだった。とにかくゴールまでどうやって到達しようとしているのかの策が、まったくと言っていいほど見えてこないのだ。前線と中盤の距離もどん詰まりで、相手の素早いプレスでボールの出し …
続きを読む慶応4年(1868)1月の「鳥羽・伏見騒乱」以降、「朝敵」の烙印を押されてしまった会津藩を救済すべく動いていた諸藩の動向が、いよいよ4月中旬には顕在化して行くことになる。奥羽諸藩重臣たちによる秘密会談が、4月29日七ヶ宿街道・関宿本陣の渡辺丁七邸で開催されるに至るのもその一つの表れであった。 では、なぜその場が城内ではなく関宿本陣の渡辺丁七邸だったのか。その …
続きを読む2014年、J2リーグ 第8節 VSロアッソ熊本戦ホームゲームを観戦して来て、久しぶりにモンテディオ山形について書いてみたくなった。結果は1:2で負。通算成績2勝3分3敗、第15位という成績である。 前奥野監督がめざした攻撃的サッカーを継承しつつ、課題だった守備を安定させ〈優勝をめざす〉とした石﨑信弘監督だが、残念ながら、早くも暗雲が立ちこめ始めている印象が …
続きを読む幕末のことを知れば知るほど、複雑かつ残念な気持になる。センチメンタリズムと言って一蹴されるかもしれないが、戊辰戦争があのような形で戦われた経緯について、やはりやるせない感情が強烈に残るからである。 奥羽での戦火ばかりではない。せっかくわが国の近代化を目論み、着実に歩を進めつつあった優秀な幕臣たちがいたのに、倒幕派は徳川時代の遺制の全てをリセットしようとして動 …
続きを読むマツノ書店から復刻されていた『同方会誌 全10冊』を、このたび幸運にもオークションで購入することが出来た。目を通してみると、さっそく第1巻・19頁〜20頁に掲載されている次のような記事が飛び込んできた。 「幕府の亡びたのは専制に対する反動が其一原因であるけれども太平の世に冗費が殖えて臨時に応ずることができないときに突然外交が起きたのである。この繁忙の際に当た …
続きを読む斎藤暹(のぼる)氏が4月6日・午後9時47分、肺炎のため亡くなられた。享年72だそうである。「告別式は近親者で行なう」という新聞記事は、氏の人柄を感じさせるに充分、そんなふうに合点できた。 笹沢信のペンネームで、近年『ひさし伝』(494頁:新潮社)『藤沢周平伝』(436頁:白水社)と立て続けに上梓され、健筆ぶりは目を見張るものがあった。しかしながら小生にとっ …
続きを読む『まち塾』4月講座のご案内です。 下記のように、小生が講師をつとめさせて頂くことになりました。 未熟な話になると思いますが、もし関心をお持ちでしたら参加して頂けたら幸甚です。 幕末の奥羽というと、イメージ的には「遅れた」印象がどうしてもつきまといますが、 はたしてどうだったのでしょうか。 会津救済から始まった奥羽諸藩のゆるやかな連携が、状況の推移のなか軍事同 …
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